上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 
そんなわけで、村山は反省文の書き直しを命ぜられた。

腹が立つがここで奴らの機嫌を取っておかないといつまでたってもガイキンが解けない。
仕方なく『すみませんでした』と反省文『改』を書き、提出した。
いやさせられた。

腹の底ではどう思おうが、口では何とでもいえる。
ましてや村山の得意な作文に関しては、それは簡単な作業であった。

なぜ自衛隊の若者は、上官の機嫌を取るのか。
なぜ自分の意見を言えないのか。

言おう。


それは
長年自衛隊にいる連中のほとんどは
自分の考えを強要するからだ。
それがたとえ間違っていたとしても奴らは認めない。絶対認めない。

自分の意見が否定されることが怖くて仕方ないのだ。
自分だけが正しいと思っている。



これが『ザ・ジエイカン』なのだ。

わかる人にはわかるでしょう。特に元自の人。

空曹はルールを破ってもOK!
幹部は何をやってもOK!!
空士はもちろんOUT!!!

村山は怖かった。
ここに長くいることで、自分も将来こんなクレイジー隊員に変化してしまうかもしれない。

俺はクレイジーでも、クレイジー隊員だけにはなりたかァない。
ザ・ジエイカンなんてまっぴらごめんだ。



9月9日(水)の正午。
エンペラーの攻撃が始まった。

『全隊員に連絡する。
 緊急の情報保全対策会議を実施する。
 隊員は1230(I)、指揮所に集合せよ。以上』


ついに始まったか。

隊員はまだ知らないらしい。
村山が事件の渦中にいること。村山がやったこと。

皆『何が始まるんだ』という顔で、飛行指揮所に集まった。



司会者はエンペラー。
エンペラーは突然拳を突き上げ、甲高い声で叫んだ。

『ぼくちゃんはいまひじょうにおこっているのだ。ぼくちゃんのたいのなかで、はんぎゃくしゃがあらわれた。
 じょせいじえいかんのひはんをし、しかもきわどいしゃしんをぼくちゃんにむだんでねっとじょうにながしたわるい やつだ。
 みんなぼくちゃんにちからをかちてくれ。みんなでいっちょにわるいやつをはいじょつるのだ。
 みんなでちからをあわせようや。ぼくちゃんはいまものすごくきげんがわるいのだ。
 ちなみにぼくちゃんはじょせいじえいかんはだいすきだ。おっぱいのおっきいじょせいじえいかんはもっとすきだ
 だからこそぼくちゃんは、じょせいじえいかんをわるくゆうやつがゆるせないのだ。
 いいかみんな。ぼくちゃんがにゅうたいしたときはなぁ…∞』


・・・・・・




『ということだ。
 御覧のとおりエンペラー様は今たいへんオカンムリでいらっしゃる。
 誰とは言わないが、この中に悪い奴がいる。
 みんなだめだぞ。自衛隊の批判なんかしちゃだめだ!』

と、事前にリハーサルをやったかのようなナイスなタイミングで、将軍はマイクをエンペラーから奪い取った。
司会者交代である(笑)。


しかし将軍の次の言葉は、村山だけでなくそこにいた全隊員を驚かせた。

『いいかお前ら。
「今日の訓練は楽しかった。また行きたいと思った」はどんどん言ってかまわないが、
「今日の訓練は楽しかった。でも自分はもっとこうすればいいと思った」はアウトだからな!!
 お前らよく覚えとけ!!「こう思う」を言った時点でどうなるか…
 上官の許可なしに、自分の意見・思想を公開したものはすぐにクビがとぶぞ!!!
 わかったか!!!!』


一同
『はい!!!!』


これが思想統制である。
このようにして、自衛隊内のいじめやいやがらせはもみ消され、不都合なことは公にされることがないのだ。
都合の悪いことは知らなかったということにする。いじめは見なかったことにする。


小芝居のような会議が終わると、一人の年配の幹部が村山に接近した。

彼が3等空佐 大久保誠司である。

『私はエンペラー様から調査官を拝命した。きょうから君の事情聴取にあたるから、君はありのままを答えてくれ。
 いいかい?』


「…はい」

まためんどくさいのが現れた。
はやく終わりにしろよ。



村山はこのときまだ
神が傍にいることに気付かなかった…


大久保は





大久保は……。

                            ~『筆者は休憩中』へ
スポンサーサイト

テーマ : ひとりごと - ジャンル : 車・バイク

 

<< お前はバイカーか | Home | 母 ~ゴッドマザー最終回~ >>


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。