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時間にルーズなオレはやはり時間ギリギリだった。

5時45分。
駅前に車を停め、ユカリに電話する。


トゥルルルル・・・・


『はい青木です』

「こんにちは乾です。
 いま着いたよ。どこにいる?」


『今向かってます。歩いてるところ』



しばらくすると、ユカリがオレのほうを不審げに見ていることに気付いた。


『こんにちは』

「あっ青木さん!気づかなかった。
 今日はよろしくね。いきなりごめん」


『ビックリしましたよ』

「ほんとに来てくれると思わなかったなー。ありがとう」

『佐山さんのお客さんですから』

『佐山』とは、オレの担当の男性美容師だ。
佐山は、店の責任者であり、ユカリの先輩にあたる。

オレは
『佐山さんのお客さんだから』来たと言うユカリにだいぶガッカリした。


その日のユカリは、オレが店で見る美容師のユカリとは全く違った。

ケバケバしい化粧に、トゲトゲしい言葉。
仕事とプライベートが違うのは、オレも同じだが
しかし実際いまのユカリを見ていると本当に残念な気がした。

まあハッキリいって化粧は下手だった。
薄いほうがいいのに。
まつ毛なんて別に短くてもいいのに。


そしてその後オレは、さらなるユカリの言葉に唖然とした。

『あんまり店の前、通らないでください。みんな今日のこと知ってるんですよ』

じゃそこに待ち合わせ場所を指定するなよ。
ユカリの働く店は、駅前にあるから通らざるを得ないのだった。



この人なんで来たの?
そんなに嫌なら来なければよかったのに。
ていうか、よく見ると


そんなに可愛くもないなァー……

買いかぶりすぎたか?


驚いたことにオレは、ユカリを隣に乗せても
何のトキメキも感じなかった。

あれだけ念願したユカリとのデートが?



オレはとにかく、車を走らせ
ナミの教えてくれた『あんまりお洒落すぎない店』へと向かった。


車での会話は。



意外にも、もった。

「同い年だから、敬語はもういいから」

『別に慣れてるんでいいです』


「高校は?」

『秦野高校』

「地元?」

『はい』

まあ自己紹介や、美容室のだれだれさんの話などでちょっとは盛り上がった。
と思ってるのはオレだけだろうけど。


「今日の店は栗東なんだが…
 栗東ってくることある?オレの地元だよ」

『ないです』

「トレセンて知ってる?競馬のトレーニングセンター。その辺に住んでる」

『あっ知ってます!トレセンの人なんですか~?スゴーイ!!』

ユカリはそこになぜか異常なくらい食いついた。

「オレは違うよ、父親が競馬の仕事やってるからそこにいるだけ」

『うちのお客さんでもトレセンの人いるんです!
 すごーい!!』


何がすごいのかオレには理解不能だが、とにかく会話は続いた。


次にオレは漫画『ONE-PIECE』の話を切り出した。

「ワンピース好きなの?メルアド見たらそんな感じだったから」

『読み倒してますよ。大好きなんです』

「オレもちょっとは知ってる。
 高校で情報っていう授業あったの覚えてる?
 パソコンの授業。それを高校生に教える仕事をやってるんだけど、
 ホームページでみんなの自己紹介をしようって企画があってね。
 みんな好きなマンガはワンピースって書いてんだ。
 それでそんな面白いものならと思って読んでる。
 今28巻だけど、アレ57巻まで出てるんだねー。参ったよ」

『アタシの好きなキャラクターは

「トニートニー・チョッパーでしょ。アドレス見て分かったよ」

『乾さんは?』

「ウソップかなー。だって変じゃんアイツ」

とまあユカリは好きなワンピースの話になるとよく話す女だった。

実はオレは、仕事場の高校生と話を合わせるためにワンピースを読んだわけでなく、
ユカリとの話題を増やすため一生懸命読んだのだった。
1日10冊ペースは、さすがにきつかった(笑)。



そんな話をしているうちに…
『お洒落すぎない店』についた。

「ココ来たことある?」

『ないです』


店に入ると待合のベンチでしばらく待った。

が、ユカリは必要以上にオレと距離をおいて座った。

ハアー…この人呼んで失敗だったかなー…。

警戒してんのかオレを避けてんのか。
だいたいこんなコはオレは初めてだ。

だいたい嫌なら断ればいいだろ、なんで来たんだろうか。
しかも『佐山さんにも、やめとけって言われたんですけど…』なんて平気で言うし。
佐山さんはオレの担当美容師だ。
彼が不利になるぞ、その発言は店にとっても不利だぞ。
(ふーん、いつも指名してる佐山さんが。
 オレがユカリとデートするのに反対するの?感じワリいー。
 しかもわざわざ言うことないのにこの人は…)


オレはユカリがまったくつかめない。
店での発言もけっこうK.Y.な言葉があったが
今日は特に強烈だ。

オレはなぜこの人をデートに誘ったんだ?

なんかそこまで考えるようになってきた。


とはいえ、オレは意外にも
終始沈黙を作らないことができた。

そのうちユカリは初めは飲まないと言っていた酒に手を出した。



数日前。

ユカリから来たメールがそっけなかったので、
ある女性に相談したことがある。

しかしその人はこう言った。

「電話番号教えるぐらいだから脈ナシではないよ」

うーん、実際はどうなのかなァー・・・・
オレにはやっぱり女の気持ちはわからない。

                     ~第5話へ続く~

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