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『実は結構好き。お酒には弱いけど』

「遠慮しないで飲めば。オレは運転するから無理だけど」

『じゃちょっとだけ』

ユカリは1杯だけで酔いが回り始めたらしい。
どんどん話しだした。
タメ語でしゃべりだしたから、オレはちょっと安心した。

『美容師の印象ってどんなの?』

「うーん…誰とでも話ができるからいいよな。オレはあまり話せないし」

『そうかなー結構乾さんしゃべってるよ?
 アタシが誰とでも話すのは、それは仕事だから。
 いつも乾さんが見てるアタシは作ってます。今のアタシもだけど』


これはどう捉えたらいい?

『お客さんには積極的に話しかけろっていつも言われる。佐山さんああみえて結構厳しいの』

ここにその日の会話をあげればキリがないが、
ユカリとはいろんなことを話した。

オレは正直こんなに話せるとは思ってなかったので
自分でも驚いた。


バイクの話もした。
『なんで年中バイクなの?冬は寒いのに』

「みんなそういうけどね…
 滋賀県って遅れてるよ。
 東京や名古屋のバイク乗りは進んでる。冬でもガンガン走ってる。
 オレはイイと思うんだ冬も。夏だと半袖だから差がつきにくいでしょ。」

『どういうこと?』

「冬ならいろいろ着られるからお洒落を楽しめる。
 都会の美容師はバイカーも多いよ。みんなすごい洒落てるし、イケてる。
 滋賀県ではまずいないね。
 だいたいそいういう文化が根付いてない。
 バイクはファッションだという文化がね」

『へーえ…なんかスゴイ洗練されてるって気がする。そんなコト言う人初めてだなぁ』

オレは調子に乗って、また自分の趣味の話を続けた。
「オレは滋賀にそういう文化を広げたい。
 バイクは年中乗れるから。いろんな楽しみ方があるから。
 乗っても楽しいし、乗る前もいろんな楽しみができると思ってる」

ユカリは仕事柄ファッションにも興味があることは分かっていたので、
オレはユカリとファッション談議に花を咲かせた。
特にオレが追及している『色』の話については、かなり食いついてきた。

ユカリは、「無口」な筈のオレがここまでよくしゃべることに半ば驚いたようだった。
『乾さんてなんか謎の多いヒトだと思ってたから…やっぱりいろんな考えを秘めてるんだね』

「青木さんもね。だいぶしゃべるようになってきたよ(笑)。
 なんかの映画じゃないけど、女はちょっと謎があったほうがイイって言うよ」


話は尽きなかった。

ユカリは今度はコンパの話をしてきた。

『乾さん今度コンパしない?』

ユカリはコンパが好きだという。
その場でワーッと騒ぐのが好きらしい。
よく聞くと、トレセンの人(競馬のトレーニングセンターで働く人)は客ではなく実はコンパで知り合った人らしい。
外の人からすると、トレセンの人は金持ってるらしい。
実際はピンキリだけど。
オレが思うに、トレセンの人は見栄っ張り。
そしてトレセンの父を持つオレも見栄っ張り(笑)。

「コンパで知り合って付き合った人はいる?」

『いません。はしゃぐのが好きなだけ』

オレもコンパの体験談を話した。
上手いこと話題が見つかるもんだ。
学校の先生、宝石屋のねーちゃん、市役所勤めの公務員、大学生、保険会社のOL、ケータイ屋のギャル。
忘年会だと言われ、行ってみると合コンだったという話。

でもオレはコンパが苦手だ。

複数の女とは同時に話せない。

何度も言うが、オレは一人とじっくり話したいのだ。
だから何人もいる合コンってやつは、どうも苦手だ。
盛り上げるとか、空気を読むとか、余計なことを考えなければならないし、とにかくめんどくさい。
自分のペースでイケない。


ユカリは自分の恋愛話もした。
オレもした。

『男って結局みんな浮気するよね。もう諦めた』

そうかなー。
オレはしないけどな。

そう言ってみたけどユカリは断固として認めなかった。
よっぽどの経験があるみたいだ。
その体験も、根掘り葉掘り話してくれた。

オレが思うに…

浮気するぐらいなら最初から付き合わなければいいのに。

されたらイヤだもんねー。

だってそうだろ?

もし自分の大好きな彼女が、嫁さんが
自分の知らないところで
他の男とセックスしてるトコなんて想像できる?
自分の女が、他の男の体を愛撫してたらどうする?


オレは絶対イヤだなー。
許せない。

殺してやろうかと思うねきっと。

よく既婚のサラリーマンが社員旅行なんかで風俗店いって、
プロの女にシャブってもらうなんていうことがこの国ではよくあるようだが…



お前ら嫁さんの気持ち考えろや

とオレは思うけど。
ヘンかなオレ。

それは浮気だろ。
浮気を正当化する理由なんてありますか。

大好きな彼女だろ。
誰よりも…何よりも大切な女なんじゃないの?


だからオレは浮気が大嫌いだ。



そんな話まではユカリにしてないけど。



映画の話もした。
ユカリは映画が好きらしい。
オレも好きだ。


オレは食事が終わったらレイトショーを見に行こうと考えていた。
今日のために時間も劇場も念入りに調べていた。

「青木さん、今日この後何かある?」

『ないけど』
「レイトショー観に行こうか。今日シャーロック・ホームズの公開日なんだ」

『わーいいかも!いこ!』

時間は8時過ぎ。
オレとユカリは店を出た。

オレの黒いトラックをみてユカリが言った。
『乾さんらしい車よねー。後ろ何が載るの?』

「何にも。バイクを乗せるためっていうんで買ったんだが、実際はカッコつけるためだよ。
 あっ、人も乗れるよ。棺桶みたいにして」

『アハハハハ!!棺桶みたいに?』

「そう。棺桶式で6人はいけるね。
 それから・・・このトラックも、バイクもそうだけど、全部自分の『洋服』なんだ。
 服装と趣味が基準で選んだ。
 ジーンズ感覚だよ」

この感覚が彼女にわかるだろうか。

美容師にはこの感覚が理解できるか。


ユカリはだいぶ話すようになった。
オレももはや全く緊張してないが、無理して食べたせいで胃が痛い。


ユカリを隣に乗せ、エンジンをかけた。

倉庫のようなガレージに、ディーゼルの排気音がこだまする。

「緊張で胃が痛いから」といってオレは胃薬を飲んだ。
しかも体調がすぐれない。頭痛薬を飲んだ。


オレは






オレは
ユカリに一目惚れしたから
ユカリを今日のデートに誘ったワケだ。

この一点だけは確認しとくか…







「今は彼氏いる?」



『いないよ。いたら今日ココに来てない』

これはどう捉えたらいい?

                 ~第6話へ続く~
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テーマ : ひとりごと - ジャンル : 車・バイク

 

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