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23:30

エレベーターの時計が知らせる。

ユカリはエレベーターでも遠い。
すごく・・・遠い。


「なんか難しすぎて内容よくわかんなかったなー。ごめん映画選び失敗だった」

『うん…』


オレはこんな時は『気にしないで、楽しかったよ』という答えが返ってくるのがフツーだと、正直思った。


この人あんまり良くないなー…

一緒にいて、疲れる。
何か一つ「ありがとう」でも言ってくれればうれしいのに…
すごくうれしいのに…




オレは体調も悪かったし、気分も良くなかったので早く送って帰ろうと思った。


車に乗るとすぐに、また胃薬と頭痛薬を飲んだ。
水がもうほとんどなかった。

頭がガンガンする。


さあ…もう帰ろう。


ユカリに話しかけた。
「美容師になんでなろうと思った?」

『高校生の時、美容師が主人公の漫画を読んで。それでなりたいと思った。
 理想と現実はだいぶ違ったけどね』


帰りも結構しゃべった。

オレは会話が持つ自信が全くなかったが、
今日は会話が途切れることは、実はあまりなかった。


琵琶湖をまたぐ橋を渡った後、しばらくは黙っていた。
早く寝たい。
マジで熱があるらしい。

ユカリと待ち合わせた駅まで、もうすぐ。

もうすぐユカリとお別れだ。



オレは訊いた。
「今日は楽しかった?」


ユカリは…



プライベートで
オレの見たホントのユカリは



良くなかった。




『ごちそうさま』


オレは心底驚いた。

「楽しかった?」との問いに、
『ごちそうさま』??
コイツどうなってんの?


だってそうだろう?
仮に楽しくなくても
『楽しかった』、『ありがとう』ぐらいは言わないか?
社交ジレイでも言わないか?



オレは二度目のデートはないと思った。
ないというより…


もう会いたくなかった。



オレはこの人が好きじゃない。
自覚した。








赤信号で止まった。



『なんでアタシなんかを誘ったの』

「一目惚れしたから」

『・・・・・』

「早いけど…早すぎるけどもう言うよ。
 オレは青木さんに惚れてた。スッゴイ惚れてた」


これを告白というなら、なぜ1度目のデートで言ってしまったんだろう。
あまりにも早すぎる。
でもオレは言ってしまった。

二度目はないと思ったから。

ただ『惚れてる』とは言わない。言えない。
惚れて『いた』だけ。

錯覚だ。
勘違いだ。



「でももう無理だとわかったよ。青木さんオレに全然興味ないみたいだし。
 義理で来てくれたんでしょ。もう美容室変えるね。
 気まずくて行けない。今日はありがとう」

ずーっと…



ユカリは黙っていたが


次の赤信号で止まった時


そのとき


ユカリは
そのとき



『アタシが乾クンのことどう思ってるか、知ってる?』

「?」

『今日はなんで来たと思う?みんな反対したんだよ。やめとけって。
 佐山さんは特にね。でもそれでも来たんだ』


何を言ってんのかこの人…
オレは意味がわからなかった。

だからずっと黙っていた。




「今日は…オレは楽しかったよ。ありが
『そんなの答えになってない』


「・・・・・」










『アタシ…乾クンのこと好きです』
                
                 ~第8話へ続く~
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