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私が受けた採用試験は『2等陸海空士』。
任期制隊員がこれにあたり、陸は任期2年、空海は3年。
これで落ちる人がいるのが信じられないほど試験は簡単だった。

自衛隊員の募集担当の部署は『地連(ちれん)』といって、彼らが、
私のような志願者が入隊するまで世話をする。
私が事務所に話を聞きに行ってからは、毎日のように地連の人が家に来て話をしてくれた。
後でわかったことだが、地連は人を入れれば入れるほど偉くなれる。


とにかく健康であれば誰でも入れる。
地連の人はバスで試験場まで送ってくれるのだ。
私は、早起きが苦手であったため試験当日遅刻をしたが、(私にとってその日はそれほど重要ではなかった)地連は何としても志願者を確保したいのか、時間を過ぎても待っていてくれた。

だがさすがに試験問題に『8+3=□』を見たときは、途中で帰ろうかと思った。

当時私は22歳。面接ではこう答えた。

『陸海空どこを希望しますか』
「陸です」

『興味のある職種はありますか』
「不発弾処理員です」




合格発表はすぐに出た。
もちろん合格。8+3ができればOK。

しかし地連のおじさんは私にこう言った。
「君は陸を希望しているが空なんてどうだろう?どっちかというと陸より空だな君は」

私もなぜか空自に興味が移り、結局簡単に空に変更してしまった。


次は親を説得しなければならなかったが、
そこは地連の熱心さであの頑固で偏屈きわまる母を攻略した。

「これで俺は母の重税から解放される」
私は小躍りした。

ただ気になることは…
私には最愛の犬がいた。もうだいぶ歳もとっている。
勢いってやつだ。私はとにかく給料をむしり取る母から逃れたかった。
なんとかなるだろう。もっとも家に近い基地に勤務すれば愛犬の顔も見に来れる。
軽率だったのかもしれない。



7月25日。
私は地連の人に連れられ、最寄りの基地に宿泊させられた。
航空自衛隊岐阜基地。
ここで私は身体検査を受け、2泊して次の段階を待機した。

驚いた。

16人部屋。

いろんな人がいた。
高校出たての18歳の少年もいれば、私と同じく大卒の人間も居たし、社会経験のある25,6歳ぐらいの人もいた。
皆いろんな過去があったらしい。
それをいちいちここで語ることは止めておく。

一体次はどこに行くのだろう。

我々志願者は2泊したのち、ヘッドセットを装着させられ大型輸送機C-1に詰め込まれた。
初めて乗った自衛隊の飛行機。
迷彩柄ですごくでかいやつ。

これから3か月の訓練が始まる。
一体どんなことをやるんだろう。
ついていけるだろうか。
集団生活に我慢できるだろうか。

楽しみよりも…

はるかに不安のほうが大きかった。

それは皆同じだったんじゃないだろうか。

                ~第3話へ続く 気長にお待ちください~




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